前提として、風邪やインフルエンザにかかってしまったら絶対休んでくださいね。あなたの体内ではたらく細胞のためにも!(さっそく『はたらく細胞』を取り入れてみました)

とはいえ、絶対に休みたくないという状況は誰にでもあると思います。私も含め、そんなみなさんのためにも、インフルエンザの知識と、普段のくらしのなかで注意すべきこと、できる対策をまとめてみました。

インフルエンザとは

インフルエンザは「感染症」です。インフルエンザウイルスに感染することによって発症します。

インフルエンザウイルスにはさまざまな型(A型・B型・C型)がありますが、ヒトに流行するのはA型とB型です。なお、A型の場合は哺乳類や鳥類などにも感染しますが、B型の感染が確認されているのはヒトのみです。

さらに、A型インフルエンザウイルスには144とおりもの型(亜型)があります。そのため以前A型インフルエンザの予防接種を受けていたり、かかったことがあったとしても、その年の亜型と完全に一致しなければ「その型に対する免疫はない」ということになりますので、インフルエンザにかかってしまうのです。

ちなみに日本国内の場合、A型・B型インフルエンザは例年12月から3月くらいの短期間で流行する傾向があり、その感染者数は約1,000万人(推定)ともいわれ、およそ10人に1人が感染している計算になります。

インフルエンザで見られる症状

インフルエンザでは咽頭痛(のどの痛み)や呼吸器系(咳や痰など)の症状をはじめ、高熱、食欲不振、倦怠感(だるさ)など、全身に症状が強くあらわれます。頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状を伴うことも多く見られます。

関連して、気管支炎や肺炎、中耳炎などを発症することや、インフルエンザ脳症(急性脳症)、重症肺炎などの重大な病気を引き起こすこともあります。

もし、インフルエンザらしき症状を感じたら、なるべく早く病院や診療所で診察を受けるようにしましょう。

インフルエンザと風邪はなにが違うのか

体調をくずしてしまったときに「これはインフルエンザなのか風邪なのか」と悩んだことはないでしょうか。

のどが痛い、くしゃみや鼻水が出る、咳が止まらないといった症状は、さまざまなウイルスの影響で発症する風邪(感冒)でも、インフルエンザウイルスに感染して発症するインフルエンザでも起こります。

しかし、一般的な風邪の場合はまず上記の症状がはじめに見られ、全身症状が強くあらわれてくることはあまりなく、熱もインフルエンザのときほどは高くなりません。

インフルエンザの場合は比較的短い時間の中で高熱(38℃以上)や頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感など全身におよぶ症状が同時期に急激にあらわれ、そのあとでのどの痛みや鼻の症状などが見られるという傾向があります。

重症化するリスクが高い人とは

下記に挙げるような方々は、インフルエンザにかかった場合、注意が必要です。

・65歳以上の高齢者
・5歳未満の小児
・妊娠中の方
・肥満傾向の方
・持病がある方(呼吸器疾患、心疾患、糖尿病、腎機能障害、免疫不全など)

重症化する危険度が高いことから「ハイリスクグループ」といわれています。

インフルエンザを予防するためには

インフルエンザはとくに冬場(冬季)、人が集まりやすい場所(たとえば学校や劇場、人混みや繁華街、満員電車など)で感染、流行します。それを未然に防ぐためにおこなわれるのが「インフルエンザ予防接種」です。

予防接種ではワクチン(感染力を失わせたウイルスから必要な成分だけを抽出したもの)を体内に入れることで、そのウイルスに対して身体が免疫抗体を作り出せるようにします。ワクチンのせいでインフルエンザにかかってしまうということはありません。

インフルエンザワクチンは毎年流行を予測したうえで作られています。予防接種をおこなえば絶対にかからないということではありませんが、少なくとも感染する人数や重症化を減らすことはできます。

予防接種以外にもできる予防法はある

インフルエンザウイルスは感染している人のくしゃみや咳などで飛んできたつばなどのしぶきを吸い込んでしまい感染する場合(飛沫感染)と、感染した人が触れたもの(つり革やドアノブ、スイッチやボタンなど)にすぐ触って、その手や指でそのまま自分の目・鼻・口などに触り感染する場合(接触感染)とあります。

感染を予防するためには、日ごろの健康管理(睡眠や栄養を十分に摂って免疫力を高めておくこと)が必要不可欠です。

そして「うがい・手洗いをしっかりおこなう、これも基本中の基本です。帰宅時、調理時、食前など、せっけんを使用して爪の間や手首まで念入りに洗い、清潔なタオルでよく拭き取りましょう。

最近では公共の施設でも入口や廊下、お手洗いなどに除菌用アルコールが設置されていることも増えましたし、携帯用も市販されていますので、そういったものを活用してこまめに手を消毒するのも効果的でしょう。

また、人が集まる場所へ出かけるときにはあらかじめマスクを着用しておくということも予防につながります。のどが乾燥しないように適度な湿度も与えられるので、のどの粘膜の防御機能を守ることにも役立ちます。

感染の有無に関係なく徹底したい「咳エチケット」

インフルエンザに感染している・していないにかかわらず、病原体やウイルスをまわりにまき散らさないために、くしゃみや咳が出てしまうときは他人にかからないよう顔を背けるなど、「咳エチケットの徹底」を心がけましょう。

使い捨てマスクをしたり、マスクがない場合はティッシュで鼻や口を覆って、使用したあとは人に触れないよう、すみやかに処分するようにしましょう。

インフルエンザの検査の方法

インフルエンザにかかっているかいないかの確認では、「迅速抗原検出キット」を用いた検査がおこなわれます。綿棒でぬぐった鼻やのどの粘液をそのキットを使用して検査することで、インフルエンザに感染しているかどうか、感染していた場合そのウイルスが何型かを短時間で判別します。

ただし、ウイルスの量が少ない潜伏期(発症する前)に検査をおこなった場合や、検体(上記の粘液など)の採取量が足りなかった場合、陽性反応が出ないこともあります。

インフルエンザの治療ってどんなもの?

インフルエンザを治療する主な方法は、「抗インフルエンザウイルス薬」の使用です。

インフルエンザウイルスを発症してから48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬を使用することができれば、ウイルスが増えるのをおさえ、発熱期間が短縮されるなど、症状をしずめるのを早めたり身体の外に排出されるウイルスの量を減少させるなどの効果が期待できます。

そのほか、症状をやわらげるために解熱剤や咳止め薬なども使用されることがあります。

なお、抗インフルエンザウイルス薬には、飲むタイプ、吸入タイプ、点滴注射があり、それぞれ用法や用量、服用期間も異なります。発症からの時間や症状をふまえて診察をおこなったうえで医師が判断しますので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

家族がインフルエンザにかかってしまったら

まず、家庭内感染を防ぐことが最重要です。

①マスク着用 ②できるだけ隔離 ③手洗い ④部屋の加湿

参照:政府インターネットテレビ「インフルエンザ 看病する時 される時」
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg16301.html?nt=1

これらを徹底したうえで、患者に以下のような症状が出ていないか、様子を確認しながら看病にあたりましょう。

・けいれんの症状がある
・呼びかけに答えない
・呼吸が速かったり息切れがある
・呼吸困難、息苦しさがある
・胸の痛みが続いている
・下痢や嘔吐が続いている
・症状が長引き悪化している

インフルエンザの治療を受けたあとだったとしてもこうした症状が見られる場合には、すぐに医療機関で診察を受けさせてください。また、小児や未成年者の場合は異常言動・行動を起こす危険性があるので、自宅などで一人になってしまわないよう注意が必要です。

外出できるようになるまでどれくらいかかるのか

熱が下がり一見ピークを越えたように思えても、インフルエンザウイルスはまだ身体の中に残っています。まわりの人を感染させないために、熱が下がってからも数日間は外出(通勤や通学)を控え自宅で療養しましょう。

小児の目安

学校保健安全法施行規則第19条より:
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」

※病状により医師が「感染のおそれがない」と認めた場合は上記の限りではありません
※出席停止期間は各学校や園で定めが異なる場合もあるので各施設に確認してください

成人の目安

成人の場合、インフルエンザと診断されてから出席や出勤を再開できるまでの期間について特に定めはありません。そのため、基本的には解熱した後2日を経過するまで(発熱がなくなって以降2日目まで)が外出を控える期間の目安ということになります。

ただ、前述のとおり発熱などの症状はなくなっても鼻やのどからまだウイルスを出している可能性はあり(一般的にはインフルエンザ発症後7日目でもウイルスの排出はあるといわれています)、完全に周囲に感染させなくなるまでの日数についてははっきりしていませんので、可能な状況であれば「発症した日の翌日から7日が経過するまで」は外出を自粛したほうが望ましいといえます。

ひとりひとりが感染しない・させない対策を!

インフルエンザの感染を防ぐためには、それぞれが「かからないための予防」と「うつさないための予防」を実践していくことが大切です。

インフルエンザ予防接種の活用と、基本に忠実に「栄養・睡眠・体調管理」+「うがい・手洗い・マスク・加湿」で、毎年猛威をふるうインフルエンザを撃退しましょう!

併設のチームメディカルクリニック(整形外科)でも、インフルエンザ予防接種は受けられます。ワクチンの在庫状況はチームメディカルクリニックウェブサイト、もしくはお電話でご確認ください。