MRIとはなんぞやという記事を書きながら、自分がはじめてMRI検査を受けたときのことをぼんやりと思い返していました。

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初の胃バリウム検査のときと同じように、なにをされるのだろうと不安でいっぱいだった記憶しかありませんが、はたして世の中のMRI経験者の方々はどうだったのでしょうか。

私の場合は手の指の爪のつけ根が長いことズキズキ痛んでいて、どうしようもなくなって病院に行ったら、「グロームス腫瘍」なるものの疑いがあるとのことでMRI検査を受けるように指示された、というのがありし日のMRIとの出会いです。

要するにそれは外来診療で、痛みを取り除くため必要に迫られての検査だったわけです。

そう考えると自覚症状がなくても「自己管理の一環」として自主的に、定期的に脳ドックを受診にいらっしゃる方たちに(小心者としては)敬意を抱かずにはおられません。人間ドックもしかり。

本当に「デキる人」というのは、仕事でも勉強でも家事でも育児でも自己啓発でも趣味でもなんでも、先を見越して自分をしっかりマネジメントできるんだなぁ、と受診者さんを見ていつもしみじみ感じています。

思い出しついでに、今回はMRI検査の第一印象について書こうと思います。

—ここからは完全に個人の感想になりますので参考程度に—

「今連絡して予約取りますからMRI検査を受けてきてください」といわれて指定の日時に指定の場所へ行き、指示されるままに更衣室で時計やアクセサリーなどの金属類をはずし検査室へ入ると、そこにはドーナツのような形をした医療機器がドンと構えていました。

あれ?これってCTってやつじゃないの?MRI?あの中にウィーンって入るんだよね?

はじめてのくせになんの下調べもせずノコノコ検査を受けに行ったおろかな私です。それだから毎回わからなくて不安になるのだろうというツッコミもそろそろ聞こえてきそうですが、過ぎたことはしかたありません(というか、知ってしまったら頭の中で勝手に想像だけがふくらんで怖くなって行かないという可能性も…ある意味もはや逃げ場なしという状況になったほうが覚悟できることもあります!)

さて、検査室の中はといえばなんだか不思議な音がしていました。某有名テーマパークのスペースマウ〇テンを彷彿とさせるような、SFチックなヒュンヒュンヒュンという謎の音です。いかにも機械という感じだなぁと思いながら、技師さんの指示のもと検査台に横になると、妙にいかついヘッドホンを装着され、調べるべき部位にあわせて体勢を固定されました。

セッティングが終わるとブザーを手に持たされます。「具合が悪いとか、なにかあったらこれを握って知らせてください」「まもなく検査が開始になりますが、検査中はなるべく身体を動かさないようお願いします」とのことで、技師さんは部屋から出ていきました。ヘッドホンの影響で「はい」という自分の返事はやけに遠くの声のように思えました。

ほどなくして「では検査を開始します。台が動きます」という技師さんの声がヘッドホンから聞こえてきました。そして予想どおり、ウィーンという音とともに機械のトンネル(のようなところ)に身体ごと吸い込まれるように入っていきます。

そこは身体がすっぽり覆われるくらいの、狭く、でも明るい空間でした。身動きがまったく取れないというほどではないですが、すぐそこに壁と天井があるという感覚です。事前に「閉所恐怖症ではないですか?」と確認された意味がようやくわかりました(幼いころ好んで押し入れで遊んでいた私としてはちっとも気になりませんでしたが)

すると、ヘッドホンからクラシックが流れてくるではありませんか。なんでしょう、検査だというのにこの優雅な感じ。折りしも外は真夏の猛暑の昼下がり、なのにここは静かで少しひんやりとしていて湿気もなく快適。…とくれば、これはもう、お昼寝するしかないでしょう!もはや気分はちょっとしたカプセルホテルです。

が。まったりシエスタと決めこもうなどと思っていた私が甘かったです。音楽に耳を傾けウトウトしかけたところで突然、ものすごい音がしはじめました。ドドドド・ガガガガという工事現場のドリルのような響きに、閉じていた目も思わずカッと開きます。

えー!?なにこれ!ぜんぜん眠れないじゃん!!(怒)

あたりまえです。別に寝にきたわけではありません。しかし事前に「大きい音がします」とはいわれていたものの、まさかここまでとは思わず筒の中でひとり、眉間にシワです。

とはいえ、そのまま目を開けていても見えてくるのは機器の内側だけなので、またそっと目を閉じました。その音はなかなか鳴り止まずにしばらくつづき、おさまったかと思うと少しおいて再び鳴りはじめます。眠ることも動くこともできないうえに眺めるものもないとなると、ヒマです。

ただ、人間とはおもしろいもので、徐々にその環境に慣れていきます。ほかにやることもないため大きな音がしていようとなんだろうとそのうち考えごとなどをする余裕すら出てきます。今置かれている状況(検査)のことから、今日休んだ分の仕事を明日はどこから片づけていこうかなとか、週末の予定は何時にどこだっけ、今夜のご飯どうしよう…などなど、実に目まぐるしくいろんなことが浮かんでは消えていきました。

そうこうしている間に、ドドドド・ガガガガだけではなく、カカカカと少し軽めな音や、キュイーンキュイーンと高めな音、ドゥドゥドゥドゥと低めな音など、数種類のパターンがあることに気づきます。

ん?なぜ?と考えはじめたあたりで数十分の検査は終了となり、「おつかれさまでした」と解放された時点で、その疑問もすっかり忘れてしまうのでした。

ここからは後日談ですが、数年経ってチームメディカル健診クリニックに転職して、職員健診でそのことを思い出し技師さんに聞いてみたところ、どのあたりをどんな画像モードで撮像しているのかによって音は違うのだと教えてくれました。

ついでに、音楽はクラシック以外でもかけられるのか尋ねたら「できるよ」というので、次の検査のとき、ためしに別のものを流してほしいんですがとリクエストしてみました。なにがかかるかお楽しみ~と待っていたら、なんと流れてきたのは珠玉の90年代J-POP。思わずカラダが勝手にスウィングしそうになってあぶなかったです(動いたら画像がブレちゃいますからね;)

この工事現場のような音にあわせるんだったら、いっそのことヘヴィメタルだとかハードロックみたいなほうがいいんじゃないの?なんて思っていたものですが、いやいや、動きたくなってはいけないので、結局クラシックくらいがちょうどいいのでしょう。

ちなみに最近は慣れたもので、音を気にしないでまどろめるレベルに到達しつつあるかなと思っています。でも、たとえば脳ドックの場合だとたったの20分~25分程度なので、寝落ちする寸前のいいところで検査が終わってしまい、やっぱり「お昼寝計画」はいまだかなわないのでした。