胃部X線(バリウム)検査とは

胃部X線検査(上部消化管X線検査)では、主に胃がんや胃十二指腸潰瘍など上部消化管疾患のチェックをおこないます。造影剤を飲んでX線(放射線の一種)を連続して照射し撮影する検査です。造影剤=バリウムを飲む検査という表現のほうが一般的でなじみがあるかもしれません。

胸部X線検査の項目で、X線は身体の中を通り抜ける(透過する)ことができるけれども臓器や組織、物質などによってその透過率は異なるということを説明しました。胃や腸は筋肉を主体としたやわらかい組織で構成されているため、そのままX線を照射しても通り抜けてしまいます。そこでこの検査ではX線を透過しない物質の1つであるバリウムを使用します。

胃部X線検査を受けるときの注意点

胃部X線検査を受ける場合、検査前8時間程度は絶食しておく必要があります。食べ物だけでなく水分の摂取(ただし夏場は脱水症状を起こすといけませんので水であれば検査3時間前まで可)、唾液や胃液の分泌を促進してしまうタバコ、あめやガムなども控えましょう。※常用の薬がある場合はまず主治医にご相談ください。

そうして胃を空にしておくことで、飲み込んだバリウムが白くはっきりと写り、口→食道→胃→十二指腸へと流れていく様子をリアルタイムで観察することができます。バリウムはふだん飲食したときと同じ動きをしますから、どこか狭くなっていて流れが滞っている箇所がないかなどがすぐにわかるのです。

また、胃部X線検査では全体が見やすくなるようにバリウムだけでなく発泡剤も飲み、胃をふくらませます。その影響でゲップをしたくなりますが、せっかくふくらませた胃がまたしぼんでしまうと、もし病変があったとしても胃の中のひだなどに隠れて見つけられなくなってしまうので我慢しましょう。

さらに、胃部X線検査では検査台の上で息を止めたり身体を傾かせたり回転させたりします。これはバリウムを胃のすみずみ(胃粘膜)まで付着させ、しっかり撮影できるようにするためです。診療放射線技師が出す指示に従っておこなっていきましょう。そうすることにより、へこんでバリウムが溜まっているところがないか、いぼのような突起がないか、変形(広がったりくぼんだり)しているところがないかなどのチェックができ、万一そうした箇所があった場合には、潰瘍やポリープ、がんなどの異常がある可能性を指摘されます。

撮影が終わってからの注意点

人間ドックの項目の中でメインともいえるのが胃部X線検査です。この撮影が終わると、ひととおりの検査が終了したという安堵感にきっと包まれることでしょう。しかし、これで終わりではありません。ここからがまた大事なポイントです。

長い時間バリウムを体内に残しておくと固くなってしまいます。そうすると排泄しにくくなるだけでなく、ごくまれにですがバリウムが腸に詰まってしまったり、その影響で腸に穴が開いてしまうような危険性がなきにしもあらずなのです。

胃部X線検査終了後は処方された下剤を必ず服用し、水分をとにかくたくさん摂り、できるだけ早くバリウムを完全に体外へ出しきってしまうようにしましょう。

バリウム検査後の「ここが気になる!」

バリウムを出しきれた目安は?

検査後1~2日くらい、白みがかった色→通常の便の色に戻ったタイミングです。

検査翌日までに便が出ない場合は?

下剤を飲んで水分を多く摂っても①便が出ない②バリウム便が出ない(通常の色の便しか出ない)場合には医療機関に相談してください。

検査後の食事内容に制限はある?

ふだんどおりの食事を摂って問題ありません。特に、消化の良いものや水溶性の食物繊維(こんにゃくや海藻類、納豆、山芋など)は腸のはたらきを助けるのでおすすめです。

検査後にお酒を飲んでも大丈夫?

アルコールには利尿作用があります。排便のために必要な水分が尿として出てしまうと腸内の水分が不足しバリウムが乾いて固まってしまいます。検査後の飲酒はバリウムを完全に出しきるまで控えましょう。同じ原理でコーヒーや緑茶などのカフェインにも利尿作用があるので検査後はできるだけ水やノンカフェイン飲料を摂るようにしてください。